大分 日田 小鹿田焼の里へ行ってみた

以前、「日田の小鹿田焼を知っているか?」と焼物好きな人から聞かれた事がある。その方は奥様が焼物が好きで、焼物に1千万近くはツッコんでるらしく、色んな焼き物を買ってまわった強者だ。

本人は最初、焼物に全く興味なかったらしいが、一緒に見て回るうちにだんだんと「ホンモノ」がわかるようになったらしい。御年60になるそうだが、蓄積された見極めのレベルは高そうだ。

その方曰く、「日田の小鹿田はホンモノ。あれは本当にいい焼き物だ」と言う。

オンタ?

ポンタなら聞いた事あるがオンタは聞いたことない。

焼物といえば九州では有田焼しか知らない私は、同県でこんな近くに焼物の窯元がある事に驚いた。同時に関東の人より九州の自分が地元の事を知らなすぎて少し恥ずかしかった。

「最近、びーむす?俺は若いもんのファッションは知らんけど、なんかコラボしとったぞ」とも言っていた。

BEAMS?なんでファッションブランドとコラボするんだ?半信半疑でBEAMSのホームページみたら、ホントに焼物が売っていた(笑)

その話を聞いたのが去年の今時期だったが、それから連休を迎えるたびにずーっと「小鹿田へ行ったのか?」と言われ続けていた。

そこで今回の連休では行っておこうと思ったのである。けっしてウザかった訳ではない。

車で日田小鹿田へ

日田市内へは車で一時間程で着くのだが、マップで調べたところ途中で脇道に入り山の方に行くようだ。

一人なので歌を歌いながら車を走らせる。途中雨が降ったり止んだりしていたので、着いた時に本降りにならなきゃいいなと思いながら。

小鹿田到着。

周りは山に囲まれているからか、小雨が降っているせいか若干涼しい。

歴史を知るために資料館へ

焼物を見る前に小鹿田焼の知識を得ておこうと歴史資料館に行ってみた。

こちらの資料館は、なんと無料だ。

コロナ禍である為、住所と名前をフルネームで書くように言われた。記帳したものを見て見ると、時刻は15時を過ぎていたのにこの日は私の前に一人来館している位であった。非常に人が少ない。

施設自体は非常に小さくて15分もあれば見れてしまう。ただし、上映されている映像が20分位あるので、詳しく映像で見たい方は時間に余裕をもって行ったほうがいいだろう。

いざ窯元へ

歴史と工程を学び、購買意欲も増したところで里の内部に入っていく。

里の中に入っていくと、まず気になるのは

ギギギ・・・ゴトン!

ギギギギ・・・ゴトン!

という音だ。

何だろうと音の元をたどると

このような装置が見えた。

この装置、水の力を利用して唐臼に入れた陶土を砕いている。

後ろから見ると仕組みがよくわかる。水が溜まり、流れ落ちる力を利用する・・・そう、鹿威しのような仕組みだ。

また途中で窯も見れた。こちらの窯は大きな作品を焼く窯だろうか?くべる為の薪が横に積み重ねられていた。

小鹿田焼の特徴として各工程で一切、機械を使っていない。量産はせず、一つ一つ手作りで作っていく。

江戸時代から伝わる陶芸の技法を変えずにその土地の土を使っている。技法自体が一子相伝で継承され残されていることから、重要無形文化財に登録されている。

こういう場所に行くのは初めてで、焼物を買ったことが無いのでよく分からないが、窯元がそれぞれ家を構えていて敷地内に工房、販売所がある。

このように家の一部が販売所となっている。

販売所と言っても人が常にいるわけでは無いので、欲しいものがある場合は呼びベルを鳴らして家の人を呼ぶ。

私も湯呑を買おうとピンポンを押してみた。すると奥の工房から家の人が出てきた。

これを下さいと差し出すと、「これ傷ありますから500円」と言われた。「傷が無いものがいい」と伝えると別の場所に積み上げられてる物を選ばせてくれた。

柄が良さそうな物を選び渡すと、「ちょっと待って下さい」と言い、奥に行くと湯呑の底をグラインダーのような物で削りだした。

しばらくするとカンカンと爪で弾く音が聞こえてきた。「ごめんなさい。これも欠けてる。違うのまた選んでもらって良いですか?」と言われた。どうやら、この窯元は最終工程を行うと同時に検査もしているようだ。

次に渡した物は大丈夫だったようで、無事に私の手元へやって来た。

焼物を各窯元で見て回ったが、伝統的な技法は共通するものの、各家でデザインが少し違う。

皿なんかを見ていて気付いたのだが、小鹿田焼の各作品には窯元の印を入れたりはしていない。すべて「小鹿田」の印がされていたり無印のもとなっているのだ。

その小鹿田という名前一本で統一する姿勢からは、窯元が違えど、この集落一体で小鹿田焼を作り、技法を守っていくという熱い気持ちが伝わる。

この結束感があったからこそ、300年もの間、伝統を守り続けてこれたのではないだろうか?

焼物だけじゃなくて、その風景に癒される

焼物は特に興味がないので、最初は買う気はなかったのだが、湯呑を実際に見て手に取ってみると温かみがあり、「これで飲み物飲むとうまいだろうな」と考えてしまうくらいの品物だった。

つい二つも購入してしまったくらいだ。

一つは左の口が横に広がっているもの。これは湯呑下の淡い水色がなんとも綺麗で一目ぼれした。これはおばちゃんにギュイーンしてもらったやつだ。

もう一つは飛び鉋の技法が使われたもの。

こちらは飛び鉋の模様も素晴らしいが、中の薬の塗った模様がなんとも味があってとても気に入った。

焼物が素晴らしいのはもちろんだが、小鹿田の里という場所自体にとても感動した。

トーン、トーンと里中に響き渡る、唐臼に入った土をたたく音。綺麗な水と空気。癒しスポットと言ってもいいと思う。

身近にこんな素敵な場所があるとは思わず、とても驚いた。驚いたと同時に非常に嬉しくも思った。

小鹿田では近年、集中豪雨や台風などの災害で、唐臼が壊れたり、陶土が取れずに苦労した時期があったようだ。その際に一つの窯元が廃業してしまったらしいのだ。

自然災害に関して私自身が出来る事はないが、こんな美しい文化が残っている事を伝える事は出来る。私自身、この事を伝えたくて仕方なくて、写真を撮って今回記事としてまとめた。

この素晴らしい文化がずっと継承される事を願わずにはいられない。

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